さて、記念すべき第一回目のテーマは、写真の基本でいて奥が深い
『絞りとシャッタースピードと被写界深度』
理解すれば、無限の表現力が手に入るのですが(?笑)、意外とその有効性が知られて無かったりします。
一眼レフなどマニアルモードのある上級機種は勿論ですが、コンパクトカメラでも活用出来るテクニックなので、多少最初に眠くなるよな話をしますが、我慢して読んで下さい!笑。
絞りとは、F値とも言いますが、簡単に言えばレンズの光の入る穴の大きさの値の事です。
絞りの数値が大きければ大きい程、レンズの穴は小さくなります。
と言う事で、入ってくる光の量がそれだけ制限され、それだけ遅いシャッタースピードが必要になります。
それと同時に、ピントのあっている様に見える範囲(被写界深度)も深く長くなります。
つまり、絞れば、シャッタースピードは遅くなり、ピントが合う距離は長くなるって事。
逆に、絞りを開ければ、シャッタースピードは速くなり、ピントが合う範囲は浅くなると言う事です。
また、使うレンズの焦点距離によっても、被写界深度は変わってきます。
望遠レンズほど、被写界深度は浅くなり、引き付け効果が増し、ピントが合ってない所のボケ方が強くなり、被写体が浮かび上がってくるのです。
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ボケ方
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望遠レンズ→
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浅い→
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高い→
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強い
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広角レンズ→
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深い→
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低い→
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弱い
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問題は、これを表現にどう使うか、ですが!?
コンパクトカメラの撮影モードの選択の所に、人のマーク、山のマーク、カメラによっては人が三人位のマークなどが付いてるのをご存知でしょうか!?
山のマークは風景を撮るモード、と説明書には書いてあるでしょうが、昔のカメラや廉価版だと単にピントの調節だったりする場合もありますが、最近のオートフォーカスカメラは、絞りを絞ってピントを深くして、風景全体にピントを合わせる様に設定されてるモードになっているようです。
人が一人のモードは逆に絞りを開けて、ピントを浅くし、人の背景を綺麗にボケさせ、被写体を浮かび上げる様に設定されてるモードです。
でも逆に風景でも、ピントを浅くして手前の方を浮き上がらせたい時や、前ボケをアクセントにして遠景を写したい時も有るでしょう!そんな時は是非、人が一人のモードを上手に使って欲しいのです。
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絞りを絞る事で、被写界深度が深くなり、バックがうるさくなっている。
210mm 1/15s F45
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絞りを開ける事で、被写界深度が浅くなり、被写体が浮かび上がってくる。
210mm 1/1000s F5.6
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絞り優先モード、シャッタースピード優先モードや、マニアルモードを持つハイエンド機種をお使いの方は、絞りとシャッタースピードの関係を自由に設定できるので、色々と試し、その場その場に最適の関係を探し出して欲しいのです!
プロのカメラマンの被写体になった事がある方なら分かると思いますが、プロのカメラマンは普通、1カットにアマチヤの方には信じられない程のシャッターを切ります。
よく誤解されるのですが、『プロなんだから、一回で決めろよ!』って思われる方が結構いらしゃいます。
が、我々はプロだからこそ、絞りとシャッタースピードの関係をはじめとして色々な要素を試し、20枚50枚100枚500枚の中から最良の組み合わせを見つける様にしています。
とどのつまり、数に勝る方策は無いのかも!?っと本末転倒な思いを残しつつ………………(笑)
今回は、ここまで。
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