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『プロカメラマンの

ストックフォト』

松永あたるの写真を多数展示しています。

 

 

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写真講座テーマ11 フィルターワーク

 

 

さて今回は、フィルターについて書こうと思います。

 テーマ9にも書きましたが、フィルターは大きく別けて、フィルターホルダー等を利用するシートタイプと、レンズに直接ネジこむタイプに別けられます。

 まずはシートタイプのフィルターですが、フジとコダックのフィルターが一般的で、耐久性ではフジに軍杯が上がりますが、物によっては色見が多少違うので、好みが別れる所ですね。

 私が常時持ち歩いている物は、CCフィルター色温度変換フィルターNDフィルターといったところです。

 色温度変換フィルターやNDフィルターは、レンズに直接ネジこむタイプにも有りますが、このタイプは使用レンズの口径の違い分だけフィルターが必要なため、耐久性は低いですが、凡庸性があり種類も豊富なシートタイプを私は使っています。

 

CCフィルター

 これは色変換フィルターで、

レット

グリーン

ブルー

イエロー

マゼンダー

シアン

 と、各色あり、それぞれに濃さが025、05、10、20、30……‥‥とあり、順に濃くなってます。

 025は主に(05もたまに)、リバーサルフィルム(ポジ)のEMデータ補正に使います。(詳しくはテーマ6を)

 05〜は主に好みの色に加色したい時、補正したい時などに使います。

 例えば森の緑を強調したい時は、G(グリーン)のフィルターを入れれば良いのは想像に難しく無いと思いますが、例えばG(グリーン)をおさえたい時(ぬきたい時)は、どうすれば良いでしょうか?

 使用頻度の高い使い方としては、蛍光灯の補正があげられます。

 蛍光灯の光は、本来は皆さんが見て感じている光より、だいぶグリーンで、ネガカラーの場合はプリント時に補正をしてくれていますが、リバーサルフィルム(ポジフィルム)の場合はダイレクトに緑色に写ってしまいます。

 

補色表

 この表は各色の補色関係がどうなっているかを示す表です。

 それぞれの色の対角線上にある色が、その色を打ち消す効果があります。

 

プリント用にtake outにも置きましたので、フィルターと一緒に持ち歩くと便利だと思います。

 

 上の表でわかるとうり、、G(グリーン)を打ち消す色はM(マゼンダー)ですので、通常、10M〜30Mを入れると蛍光灯下でニュートラル(ノーマル)な発色にとなります。

 10M〜30Mと濃さに幅があるのは、蛍光灯にも色々と種類がある為です。

 しかし、ごくごくたまにある色評価用蛍光灯は、フィルターを入れなくても、まったくニュートラルに写り、10Mでも入れてしまうと、10Mに、30Mなんかを入れよう物なら、なんと30Mに写ってしまいます〜〜!当たり前ですね……笑。

 こんな事故を防ぐためには、あらかじめ蛍光灯の種類を確認して、テストをすれば完璧なのですが、いつもそんなわけにはいかないので、色評価用蛍光灯でない事を確認して、何通りかのフィルターで撮影するのが良いでしょう。

 こんな時、プロカメラマンは大体のめあすとしてカラーメーターを使います。

 カラーメーターとは、ミノルタの物が有名で、その場の光線の性質を計る道具で、色温度とフィルター補正値の目安が分かる大変便利なメーターなのですが、ちょっと値が張るのが難点です〜〜泣。

追記

先日、当サイトのBBSに、色変換フィルターについて質問がありましたので、追記いたします。

基本的には、色変換系のフィルターは、リバーサルフィルム(ポジフィルム)でのみ有効な手段です。

まず、デジタル環境ではフィルターで操作するよりも、レタッチソフトで色を整えた方がイメージ通りのカラーバランスに仕上がりますので、色変換フィルターは不要かと思います。

テーマ17と、用語辞典でレタッチを、ご参照下さい。

 

ネガ環境においては、元来、ネガカラープリントには、カラーマネージメントの発想がなく、色はプリントをする人の感性や、プリントする機械個々の統計的データに頼っているのが実情です。

乱暴に言えば、色変換フィルターを入れようが入れまいが、紅葉の赤はこの色!と同じ色に上がってきたり、またお店によって同じネガを出しても、まったく違う赤に仕上がってきたりします。

ネガで納得する求める色を出したければ、多少料金は高くなりますが、あなたのイメージを伝えられる色見本を添えた上で、写真店で『手焼き』プリントを指定するのが良いでしょう。

アーティスティックなプリンターが、貴方の御期待にそうように、一枚一枚、色見本を元に丹念に色調節をしながらプリントしてくれます。

大概の場合は、一度で狙った色は出ないのですが‥‥‥笑。

 

と、以上の様な理由で色変換フィルターは、撮影状況がダイレクトに仕上がり影響する、ポジフィルムにのみ有効な手段なのです。

 

色温度変換フィルター

 色温度とはなんぞや!?とお思いの方も多いと思いますが、簡単に言うと

裸電球の光

3000゜K(ケルビン)前後

夕焼けの光

4000゜K前後

昼の太陽光

5500゜K前後

厚い曇の寒空の青白い光

7000゜K前後

 となっており、難しい事は抜きにして、暖色から寒色までの光を数値化した物、と思ってもらって良いでしょう。この値は前記のカラーメーターで実際に計る事が出来ます。

 普通のフィルム(デイライトタイプ)は、パッケージにも書いてありますが、5500°Kの光で撮影された時に本来の色見を発色するように作られています。

 色温度変換フィルターとは、この色温度を変換するフィルターで、もうちょっと暖色系に、又は寒色系にしたいと言う時や、電球で照明された物を太陽光線で撮影したみたいにみせたり、昼に夕暮れの光で撮影したみたいにみせたりする事が出来ます。

 フジのフィルターの表記でいいますと、

暖色系にしたい時

LBA1〜20

寒色系にしたい時

LBB1〜20

 となっており、数字が多いほど濃いフィルターになっています。

 

NDフィルター

簡単に言えば、単に暗くするフィルターです。

どんな時に使うかと言うと、例えば……‥‥

長時間露光による流れ効果などを期待して、絞りを変えずにシャッタースピードを長くしたい時。

(水の流れるイメージを創る時など)

被写界深度を浅くしてボケ味を出すために、シャッタースピードを変えずに絞りを開けたい時。

絞りシャッタースピードも動かさずに、単に暗くしたい時。

確認ポラを一緒に撮る場合に、ポラとフィルムの感度が違う時。

(ISO100のポラとISO64のフィルムを同時に使う時など)

フジのフィルターで言いますと、0.1号(-1/3段)〜4号(-13と1/3段)まで、各種ありますので、目的に合った物をお使いください。

 

 

次にレンズに直接ねじ込むタイプについてですが、

まず、よくレンズ保護にUVやスカイライトなどの色のついたフィルターを常用している方をみますが、あまり関心できませんね〜〜。

薄いとはいえ、色が付いていますから、常用には適しません。自分の写真に色を付ける時は、自分の意志でつけましょう〜〜笑。

レンズ保護用には無色透明の、ケンコーのフィルターで言うならMCプロテクター などを使う事をお奨めします。

 

さて、ねじ込みタイプの中で私が使用頻度の高い物は、

PLフィルター

偏光フィルターとも言いますが、小学校の頃、理科の時間に偏光ガラスを使った実験をした憶えがないでしょうか?あれです!笑。

水やガラスの反射をおさえたり、野外で空の露出だけ暗くし、より青く見せる効果があります。

使い方としてはフィルターをつけたら、ファインダーを覗きながらフィルターの前にあるリングを回すと反射や空の青さが変わっていくのが見えます。望む視覚効果の具合が1番良い所でリングを止めて撮影します。

注意しなくてはならないのは、PLフィルターには比較的高価なサーキュラー と、比較的安価なタ一般イプの二つあり、カメラの機種により使えるタイプが違うと言う点です。(一般にAFカメラにはサーキュラー タイプ、マニアルカメラには一般タイプを使います。)

買う前に御自分のカメラにはどちらのタイプが使えるのか説明書やカメラ店で確認してからお買い求め下さい。

また、レンズにより口径が違うので、使うレンズの口径ごとに揃える必要があります。

 

その他にも色々な視覚効果のあるフィルターがありますので、色々と試してみるのも面白いと思います。

ですが、くれぐれも、

    過ぎたるは およばざるが如し、を

    お忘れなく〜〜笑。

 

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