今回はフィルムの特徴、使い方について書こうと思います。
まずは、リバーサルフィルムから………………
ポジフィルムとも言い、スライド用として発達した経緯を持ちます。
印刷原稿として適性があり、私たちプロの間でもデジタル主流の時代になってきましたしたが、まだまだ移行期にあり、特に扱いの大きな写真などの場合にこのフィルムを使います。
現像すると、そのまま透過光で鑑賞できるポジができ、ダイレクトプリントという手法で、透明感のあるきめ細やかなプリントにする事も出来ます。
リバーサルフィルムは、現像したポジフィルムその物が仕上がりであり、ダイレクトプリントにする過程でも露出の加減や色味を補正する事が出来ない為、露出のラチチュードが無く、色味の管理にも厳しいフィルムです。
また、フィルムの(箱に記載されている)エマルジョン(乳剤)によって感度や色味に多少のばらつきが有り、これも仕上がりにダイレクトに反映されてしまいますし、使う現像所によっても、結構仕上がりにばらつきが出ます。
これらに対応する為、あらかじめ同じエマルジョン、同じラボ(現像所)を使いテスト撮影をする事をお勧めします。
が、ラボ(現像所)やメーカーがテスト撮影をしたエマルジョンデータを入手する事でも、ある程度は対応できます。
これはラボや良心的なカメラ店で入手できます。
エマルジョンデータ見本
|
フィルム名の後に4×5とか120(ブローニー)と有るのはフィルムサイズです。
通常35_フィルムと言われているのは135と表記されます。
その後ろの36は36枚撮りの事です。
プロテンは10本パックで売られている商品名です。
エマルジョン番号はフィルムの箱に記載されています。
フィルター補正値の項で、NはNONの略で補正フィルターを入れなくてもナチュラルな発色をすると言う事。
025MとはCCフィルターの025Mを入れて撮影するとナチュラルな発色をすると言う事です。テーマ11で、CCフィルターについて解説してます。ご参照下さい。
|
以下はウェブ上でエマルジョンデータを公開しているプロラボの一例です。
コダック系現像所
堀内カラー http://www.horiuchi-color.co.jp/index2/index2.html フジ系現像所
日本発色 http://www.nhh.co.jp/
あらかじめテスト撮影したりエマルジョンデータを入手して撮影しても、実際には使用レンズの違いや、撮影コンデションや光線状況の違い、露出の取り方の違い、現像所の現像液の入れ替えなどの影響などにより、狙った露出を得られない事がしばしばあります。
ですからプロカメラマンは、必ず、テスト現像をします。
そのテスト現像の結果をふまえて、本番用フィルムの現像を増感現像すれば、露出をある程度コントロールできるわけです。
※プロはほとんど減感現像はしません。
増感現像に比べて減感現像は荒れたり色かぶりしたりする事が多いからです。
その為、撮影時に露出に迷ったら、必ず暗めの露出を選びます。
|
裏技として、
わざと常時1/3程度暗く撮り、現像で1/3増感するカメラマンも結構います。
コントラストが幾分上がり、いわゆる ぬけの良い写真 に仕上げるためです。
|
通常、テスト現像の撮影方法は、切り現とテストロールを作る方法の、2通り有ります。
切り現
|
撮ったフィルムの前3〜5コマか後ろ3〜5コマを、現像所で切ってテスト現像してもらうやりかたです。
その場合、その三コマから、ほかのコマの状態を想像しなければならないので、よく考えて撮影しなければないません。
また暗室内でフィルムを切る作業なので、アバウトに2〜6コマ目位のどこかに切れ目が入るので注意が必要です。
|
テストロール
|
同じレンズを使用できる35mmカメラが二つある時や、フィルムバックを取り替えられる中判カメラ使用時に、テスト用に一本丸々テストフィルムにするやり方です。
撮影時、本番用フィルムとは別に、シーンやカットが変わる度に、1〜3枚テストフィルムでも撮り、先にテスト現像する事で、本番現像時の参考にします。
全てのカットのテストが見られる利点があります。
|
どちらにしても、1シーンの本番用フィルム撮影枚数が1本未満の場合は、何シーンも一緒に増感現像しなければならなくなるので、ある程度は段階露出をする事が前提となります。
デリケートで扱いにくいフィルムですが、粒状性の良さ、色彩の再現性、鮮やかさ、プリントの質感など、メリットも大変多いフィルムです。
ぜひチャレンジしてみて損は無いと思います!
まあ、硬くかまえずに、ゆるりゆるりと〜〜笑。
今回はちょっと専門的になりすぎた?かな……
ネガフィルムについては、また次の機会に……‥‥
|