さて、しばらくデジタルカメラの小難しい話が続きましたね。
ちょっと基本に立ち帰り、今回からは写真の構図とフレーミングの話をしようと思いま
す。
私は、写真の主題を見つけると、まず、考える事は、
主題を生かすバック、背景は何か!と言う事です。
今回はその辺の事を少々。
写真の世界では、『写真は引き算』 なんて話を良く聞きます。
※足し算なんて考え方もありますが、観光地の絵葉書屋さんじゃなければ、
引き算
と言う考え方を、私はおすすめします〜〜笑。
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これは、
写真は引き算 |
主題を引き出す為に、他の物に意味を持たせるな。
要らない情報は極力
簡素化して捨てろ!
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と言う意味だと私は理解しています。
見る者を引き付ける為には、注意を主題ただ一点に引き付けるのが一つの方策です。
情報が多すぎて注意力を散漫にさせては、伝えたい表現の伝達も半減してしまいますよね。
では、実際には何をどうやって 引き算 するかですね。
例えば、次のような風景があったとします。
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バックの情報量が多いため、バック、背景に目がいってしまい、主題が埋まってしまっていますね。
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まず一つの方策として、『ぼかす』 なんてのがありますかね。
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主題以外をアウトフォーカスに
して、意味の無いボカシにすれば、自然と主題が立ってきますね。
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『とばす』、と言う方法もあります。
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主題をわざと陰に入れ、又はわざと逆光に
すれば、バックがオーバー気味になり、主題が全面に浮き上がってきますね。
しかし、元々白い花の場合は、向かない方法ですね〜〜笑。
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逆にバックを『落とす』と言う方法もあります。
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被写体だけに日を当てて、バックをアンダーにする事によって、主題を引き立たせます。
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動きのある被写体なら、『流す』なんて方法もありますね。
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動きのある被写体を追いながら、遅めのシャッタースピードで撮影する事で、バックを流すと言う手法。
流し撮りって奴ですね。
フェラーリのようなスピード感が、花につきますね〜〜笑。
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しかし、上記の手法は、所詮は、小手先の小技です。
引き算において、王道は、やっぱり『ポジションとアングルで整理する』なのです!
平たく言えば、バックを選ぶと言う事。
カメラを持って、被写体に対峙したら、とにかく 自分が 動いて下さい。
被写体に対してのカメラ位置は無限にあります。
タブーは有りません!
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ちょっと下から見上げれば、
空抜けのすっきりとした、
気持ち良い絵が撮れますね。
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ちょっと上から見下ろせば、
芝生抜けの絵が撮れますね。
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カメラポジションを変えて、隣の建物の壁をバックにすれば‥‥‥
こんなシックな印象に〜〜〜笑。
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まず動く事から、貴方の感性、個性、本当の目線がみつかるはずです。
主題を見つけたら、まず考える事は、
主題を生かすバックは何か!?
貴方の絵の中に、電柱や電線なんかが、意味も無く写り込んでいませんか〜〜?笑。
昨今の流行にズームレンズがありますが、自分の表現を求める初心者の方には、私はズームレンズをおすすめしません。
ズームレンズは 『自分が動く』 と言う 一番の基本 を忘れさせるレンズだからです。
もっとUPで撮りたいと思った時に、ワイドレンズで近寄って撮った方が良いのか、望遠レンズで遠くから撮った方が良いのかを考えずに、安易にズームを動かしていませんか?
私が写真学校で勉強していた時、最初の一年は35mmか50mmの単玉レンズ一本ですごせと言われました。
それによって私は、3つの力を鍛える事ができたと考えています。
1 |
自分にレンズの基準ができ、何ミリ位のレンズで撮るのが良いかの判断基準ができた事。
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2 |
焦点距離によっての視覚効果が期待できない分、画面構成の思考錯誤で勝負しなければならない為、構成力がついた事。
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3 |
よりたい時、引きたい時には、当然自分が動かなければ成らない為、自分が動くと言う 一番の基本の力 がついた事。
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便利な手足をもがれる思いでしょうが、画面構成力を鍛えたい方は、
是非、お試しあれ〜〜笑。
構図とフレーミングの話で、避けては通れないのは図形の話ですね。
理屈よりも自分の感覚で画面を構成するのが、個性だとは思うんですが‥‥‥
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