『決定的瞬間』と言う言葉をご存知ですか?
M社のカメラのキャッチコピー!と答えられた方、貴方は気付いて無いかも知れませんが、意外とおじさんです〜笑。
今なお、週刊誌の中刷りやドキメント番組で盛んに使われてるこの言葉、実は、今から50年以上前、1952に発刊れたアンリ・カルティエ・ブレッソンの写真集『The Decisive Moment』(米題)に由来する言葉なのです。
webサイト http://www.magnumphotos.co.jp/ws_photographer/hcb/index.html
当時としては高速なシャッターを使い、日常の一瞬を切り取ったブレッソンの写真は、今まで時間が止まるなんて思った事さえ無かったパリ市民の度肝を抜きました。
まさに、スナップ写真の誕生、写真が芸術に成りえると認識された瞬間です。
決定的瞬間を確な技術と野心的な構図で切り取った写真は、平凡な日常を、洗練された感性が切り取ると、非凡な日常になる事を教えてくれます。
残念ながら2004年8月3日、南仏プロバンスの自宅で95歳で永眠されたニュースが、世界中を駆け抜けた事は記憶に新しい所です。
機会が有れば、是非、写真集を手にとって見て下さい。
貴方の構図が野心的になり、街を歩く時に常にカメラを持ち歩く様になる事をうけあいましょう。
さて、近くに街が無いと言う方には、風景写真のカミサマをご紹介しましょう。
と、言っただけでもう説明はいらないかも…………
そう、アンセル・アダムスです。
WEBサイト http://www.anseladams.com/
白い印画紙の上に感光されたモノクロのグラデーションは、一たびアンセル・アダムスの手にかかると、光が溢れ出し、色彩が溢れ出てきます。
写真から目を離す事に罪悪感を覚え、自然に息をのみ、ため息と笑顔が湧き上がってきます。
そう、完璧とはアンセル・アダムスのためにある言葉だと思い知らされるのです。
彼の完璧さは、題材を見つけ構図を見つける感性もさる事ながら、確かな理論に裏打ちされた技術にあります。
彼の開発した露出からプリントまで一貫したデータ管理理論 ゾーンシステムや、写真印画プリントと間違えるほどの別刷写真印刷を挿入した写真集編集など、彼の功績は数え切れません。
機会が有れば、是非、写真集を手にとって見て下さい。
貴方の写真から光が溢れ出し、次の日曜には森をファインプリントに写しこむ作業に没頭している事を、うけあいましょう。
良い物を観る事は、新たなイメージの引き出しを持つ近道です。
今回は偉大な写真界の巨匠をご紹介しましたが、写真に限らず、絵画、書、音楽、建築、映画、美男美女と、感性のおもむくままに良い物を観賞し、引出しを広げる事から、新たなインスピレーションがみつかるものと信じています。
私のアルバムを見る暇があるなら、もっと良い物を…………笑。
なんて自虐的な思いを残しつつ、今回はここまで。
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