マミヤRZ67
ちまたには、ポスターやビルボード等の大きなプリントや、雑誌の高級化粧品やブランドのイメージ広告のページなどの明らかに緻密な模写の写真ってありますよね。
そう言った写真には、実は元々が大きなサイズのフィルムを使うカメラが使われています。
私達、広告系のプロカメラマンは大概、三種類以上のフィルムサイズを使うカメラを、仕事により使い別けています。
フィルムサイズの違いは、画質に大きく関わってきます。
フィルムを拡大してみると、粒子と呼ばれる小さな点々の集まりなのですが、同じ物を撮った時に、例えば35mmフィルムと67のブローニーフィルムでは、その粒子の数が実に4.5倍も違うのです。
つまりは、デジタルの画素数と同じ考え方で、同じ画質 (粒子の数) を求めるとしたら、67ブローニーフィルムなら35mmより4.5倍の大きさに引き伸ばす事が出来ますし、同じ大きさにプリントするなら4.5倍緻密な写真となるのです。
この差は、大きいですよね〜〜!
一般に、ブローニーフィルムを使うカメラを、中判カメラ と言います。
長巻フィルムの一種である ブローニーフィルム は、その長さの違いで二種類あります、
フィルムタイプ |
幅
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長さ
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120
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61.5cm
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83cm
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220
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61.5cm
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166cm
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殆どのカメラは、120 をメインに作られていて、220 はカメラにより、使えるカメラと使えないカメラがあります。
120や220の数字の意味は、コダックが市場に出した順番につけられたフィルム番号に起因する物です。
実は、同様に35mmフィルムを 135 と表記しますが、これも市場投入順につけられたフィルム番号で、35mmに起因する表記では無いのです〜〜。
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上はブローニー10本パック。
右のパッケージが一本入りの物。
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ブローニーフィルムの面白い所は、画像一コマの横の長さが、同じフィルムを使うにも関らず、カメラによって変わる!と言う所ですね。
ブローニーフィルムを使うカメラは、一コマの横の長さの違いにより、645、66、67、68、69などの種類があり、この数字は例えば645なら6cm×4.5cmの最大画面サイズがある!と言う意味です。
ただし、有効画面サイズはこれより小さく、カメラ個々によっても多少違います。
カメラの種類
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有効画面サイズ
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120フィルムでの撮影枚数 |
220フィルムでの撮影枚数 |
35mmフィルムとの面積比 |
645
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5.6cm×4.15cm
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15〜16枚
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30〜32
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約2.7倍
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66
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5.6cm×5.6cm
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12枚
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24
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約3.6倍
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67
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5.6cm×6.9cm
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10枚
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20
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約4.5倍
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68
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5.6cm×7.6cm
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9枚
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18
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約4.9倍
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69
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5.6cm×8.26cm
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8枚
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16
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約5.4倍
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と言う事で、同じブローニーフィルムを使うカメラでも、
35mm判に近い機動性を持ち、ストリートスナップや動きのあるモデル撮影向きの 645カメラから、
風景やスタジオ撮影向きで画質重視である、68、69カメラまで、多種多用なカメラが同じブローニーフィルムで撮れるのです。
カメラのタイプ別で言うと、一眼レフ、二眼レフ、レンジファインダーとありますが、それぞれが一般的に向いている被写体は、
645〜66の一眼レフ |
モデル撮りなどの動きのある被写体向き。 |
66〜69の一眼レフ |
ポートレート、静物などのスタジオ撮影、及び風景写真向き。
(ただし、ペンタックスの67はフィルムバックが無い分、比較的コンパクトなので、スナップ、ストリートフォトにも向いているかも。ただし、その分フィルムの交換が遅くなってしまうので、テンポを必要とする撮影には向きませんし、ポラロイドを撮るには改造した専用ボディが必要な為、スタジオ撮影には向かない面もあります。)
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二眼レフ |
スナップ、ストリートフォト向き。 |
レンジファインダー
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勿論、上記の撮影以外に使えないと言う事ではありません。
八セルブラッド500C/M
代表的な 中判カメラメーカー と カメラタイプ としては、
フィルムタイプ |
メーカー
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kカメラタイプ
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645
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マミヤ
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一眼レフ、フィルムバック有り |
ペンタックス
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一眼レフ、フィルムバック有り
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フジフィルム
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一眼レフ、フィルムバック有り
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ハッセルブラッド
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一眼レフ、フィルムバック有り
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ブロニカ (2005販売終了)
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一眼レフ、フィルムバック有り
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レンジファインダー
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66
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ハッセルブラッド
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一眼レフ、フィルムバック有り
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ローライ
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ウエストレベル、二眼レフ
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一眼レフ、フィルムバック有り
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ブロニカ (2005販売終了)
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一眼レフ、フィルムバック有り
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67
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マミヤ
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一眼レフ、フィルムバック有り
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レンジファインダー
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ペンタックス
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一眼レフ |
フジフィルム
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一眼レフ、フィルムバック有り
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68
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フジフィルム
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一眼レフ、フィルムバック有り
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他にも東欧やアジアに、幾つか現在製造してるメーカーがあるようですね。
数年前にHOLGAと言う トイカメラ が大流行しましたし、上海の二眼レフも時々見かけますね〜〜。
しかし、フィルムカメラは業界の生き残りを賭けた再編とデジタルの波に押されています。
2005年に惜しまれつつも 名機ブロニカ の火が消えてしまいましたし、今後マミヤの動向も気になります。(2006年5月現在) 他の名門メーカーも、今後どうなるか‥‥‥
過去には、35mmよりもメジャーなフィルムサイズだった時代もあったわけで、中古市場には目の飛び出るようなコレクターズアイテムから、ディープなレア物、そして実用的な物まで多種多様なカメラがありますね〜〜。
昔のカメラは造り自体がしっかりしてますし、もしもの場合は昔のメカニカルなカメラ専門の修理屋さんもあります。
ですから、そんな中古市場であなたにあった中判カメラを探し、その味を楽しむのも、面白いですよね〜〜。現像上がりが楽しみになる事、うけあいです!笑。
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