さて今回は、図形の話。
画面内のバランスをどう置くかと言う事ですね。
このバランスを整えるのに、比較的簡単で有効的な手段は、黄金比、黄金分割を使う事でしょうか。
落ち着いたバランスの良い構成には成りますが、これがベストと言うものでもありません〜〜
まあ、知っていて損は無いでしょう〜〜位に‥‥‥笑。
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黄金比は、近年話題になっている小説、今年2006年にトムハンクス主演で映画化される『ダ・ヴィンチ・コード』の中でも詳しく書かれていますね〜〜
ちょっとこの本面白いです。
私、はまってしまいました〜〜〜笑。
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美術、数学、生物学、建築学、音楽はたまた宗教学において、この比率は最も美しい数字だと言われているんだそうです。
特に美術界においては、歴史的にはパルテノン神殿、ミロのヴィーナス、レオナルド・ダ・ビィンチの数々の作品などを始め、多くの芸術家がこの比率を強く意識して造形したと言われ、現代絵画の教科書などでも大きく扱われていますね。
また、北斎
を始めとした浮世絵の多くの作品にも、随所にこの比率が見られる事などからも、この比率を知らないとしても、多くの造形家が結果的にこの比率に集約されてきた事は明らかです。
なぜ、この黄金比が最も美しい比率だと言われるか、の一つの解釈としては、『自然界のDNAに組み込まれている比率である』と言う事が大きいと思います。
例えば、皆さんの身長を、へそから床までの長さで割ってみて下さい。
蜜蜂の巣の雄と雌の割合を数えてみて下さい。
不思議と黄金比になります。
オーム貝の螺旋や、花びらやひまわりなどの種の配置、木の幹の配置、昆虫の体の分節などにも1:1.618の比率が見つかります。
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黄金比を使った螺旋形 |
このように、自然界にはいたるところに、黄金比がみられるのです。
この比率を自然界に見つけた人々は、神聖な比率と解釈したのも、極、自然にうなづけますね。
つまり私たちは、普段から何気に黄金比の中で、自然にすごしている訳ですね〜〜笑。
35mmフィルムの有効画面サイズは36mm×24mmですが、それを黄金比で割った線4本を書くと次のようになります。
つまりは、画面を二分するような地平線や水平線は、この4本のラインのどれかに置くと、バランスの取れた落ち着いた美しい配置になると言う事ですね。
ラインでなくても、ポイントとなるような物は、この黄金比のライン上、できればラインが交差するポイントに置くと、落ち着いた画面構成になります。
最近、デジタルカメラをご使用の方が、カメラのモニターのカバーに、構図のラインを油性ペンで直接書いていっるのを見かけました〜〜!笑。
カバーを複数もっていれば、色々な構図のラインや無地の物と簡単に交換できるし、撮りながら確認できて、これは便利かもと思いましたね。
モニターカバーでなくても、セロテープやメンディングテープを貼ってその上に書いても、応用できそうですね〜〜。
追記。
BBSで、もっと具体的な使い方について質問があったので、追記します。
北斎の浮世絵、神奈川沖浪裏に、黄金比と補助線を入れた図です。
波頭、雲、富士山など、多くのモチーフが、黄金比を強く意識して書かれてる事がうかがえます。 このように、ポイントとなるモチーフを、黄金比に元付いたライン上や、ラインのクロスする点に置く事で、落着いて、かつ、大胆な間のある構図ができるのですね。
ちなみに、黄金比を使った螺旋形も使われています。
まあ、この辺は、詳しくは、絵画の参考書等に詳しく書かれていると思いますので、今度、本屋で立ち読みでも、してみて下さい〜〜笑。
まあ、実際に写真を撮る時には、勿論、こんな補助線を引く事は、中々できないですが、知識として持っている事に、損はないはずです。
被写体を画面のどこに置こうか迷った時に、安易に画面中心に置かず、ちょっとずらす。画面に間を、意識して造る。
知識として持っていれば、きっと役立つ事でしょう。
構図を磨くなら、一番の早道は、絵画、写真、書道、焼物、彫刻、ジャンルにとらわれず、良い物を沢山みる事がおすすめですね〜〜。
図形より、ビジュアルで見た方が判り安く、真似がし易いですし、 貴方の感性、個性に基づいた、貴方の構図が確立できる事でしょう〜〜
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上の写真のような動きのある絵を作りたい時は、被写体の前に 間 を造る事で、被写体が前進する意欲、意思といった物を表現できます。
黄金比を使った画面構成をすると良いところは、この画面に 『自然な 間』 ができると言う点ですね。
同じ様な考え方に、「3分割方構図」なんて考え方もありますね。
これは画面を三等分に仕切る事で、もう少し大胆に間を造る構図です。
また、他にも意図的に良く使われる構図としては、S字構図や放射線構図などがあります。
S字構図
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主題をS字に形つける事で、リズム感をだします。
また、モデル撮影の時などは、ポージングにS字を強く意識させる事で、美しく見せる事ができます。
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放射線構図
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任意の一点から放射線状に画面を造る事で目線を誘導する構図。
遠近感を出しやすい構図ですね。
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これらの構図を造る時は、いずれも、見る者の目線を意図的に誘導する事を念頭にいれる事が、肝です。
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しかし 『自然な 間』 は、言い換えれば、『無難な 間』 と言う事です。
上の朝焼けの画像のように、落ち着いた絵には成りますが、野心的、個性的な構図とは言いがたい絵に成ってしまう場合も多々あります。
ですから、
結局は、貴方の感性、個性、といった物にまさる物ではありません。
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