写真講座テーマ25 ヒストグラムのすすめ で説明したヒストグラムと並んで、デジタル画像の調整に良く使うツールに、トーンカーブが有りますね。
皆さん、活用してます?
PhotoshopやフリーソフトのGIMPを初めとした画像レタッチソフトや、RAW画像現像ソフトなどの多くで、露出補正、コントラスト調整、色調整などおこなうメインツールとなっていますね。
Photoshopの弟分、Photoshop Elementには、従来はトーンカーブの機能は有りませんでしたが、最新版(2006年12月現在)Photoshop Element 5.0から新たに、トーンカーブとよく似たツール、カラーカーブが搭載されたようですね。
まあ、平たく言えば、明るさや色を、感覚的に自由に調節できるツールと言う事です〜〜
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トーンカーブとは、横軸が修正前の輝度(入力値)、縦軸が修正後の輝度(出力値)を示し、グラフ部分のラインをクリックして任意に動かす事で、画像の輝度(明るさ)を調整出来る画像補正ツールです。
露出補正やコントラストの調整は勿論、暗部や明部などをスポット的に調整できます。
また、RGBそれぞれの色の輝度を別々に調整できるので、色調の調整も出来る極めてオールマイティーなツールなので、使いこなせばあなたのイメージの再現に、大きな力となるでしょう。
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テーマ25で解説したヒストグラムと今回のトーンカーブは切っても切れない関係で、ヒストグラムで画像に対してどんな修正をすればより良くなるかを見極め、トーンカーブで実際に作業すると言う関係です。
ですから、作業する時は、ヒストグラムを小豆に見ながら作業しましょう。
ヒストグラムの解析眼も養われますしね〜〜
トーンカーブの横軸で調節したい明るさの位置を見極め、その上方のライン上を、マウスでクリックしながら動かし、上に上げれば画像が明るく、下に下げれば暗くなります。
動かせるポイントは複数設定できるので、細かくラインを調節できます。
チャンネル モードは4つあります。
デジカメの色は 赤、緑、青、の三原色の組み合わせ全色を出しています。
ですから、それぞれの色の輝度(明るさ)を別々に調節しバランスを変える事で、画像の色調を変える事が出来るのです。
RGBチャンネル
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R(赤)、G(緑)、B(青)を合わせた、普段私たちが見ている画像の輝度(明るさ)を調節するチャンネルモード。
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Rチャンネル
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R(赤)のデータを調整するチャンネル モード。
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Gチャンネル
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G(緑)のデータを調整するチャンネル モード。
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Bチャンネル
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B(青)のデータを調整するチャンネル モード。
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全体的に露出を上げたい時は、横軸の中間位の輝度部分のグラフを上に持ち上げます。
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露出を下げたい時は、反対にトーンカーブを下に押し下げます。
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例えば画像の暗い部分のみの露出を明るくしたい時は、
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横軸の輝度の暗い部分(左寄りの部分)のラインを上に持ち上げます。
その時、グラフはなだらかなカーブを描こうとし、中間部や明部も一緒に上がろうとするので、
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その部分を押し下げ、元の位置付近に戻してあげます。
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コントラストを上げると言う事は、暗部をより暗く、明部をより明るくと言う事なので、下図の様にトーンカーブをS字に曲げてあげます。
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右上がりのラインが急坂になればなるほど、その部分のコントラストが高くなります。
また、このラインの形が、緩やかなS字に見えない事もないため‥‥‥コントラスト=S字と覚えとくと覚え易いでしょう。
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コントラストを下げるという事は、暗部を明るく、明部を暗くする、と言う事なので、トーンカーブは下図のように、よりフラットになるようになります。
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例えば実際にネガ写真を、私が自分で焼き付けプリントするとしたら……‥‥
ぬけ(バック)を色が感じられる位まで明るくし、かつ、白い花びらの微妙なグラデーションを美しく見せ質感を出す為、この部分のコントラストを上げるようにプリントするでしょう。
この作業を、トーンカーブツールですると……‥‥
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ポイントは2つ。
A |
白の花びらの微妙なグラデーションを表現する為に、中間輝度から上の部分をS字にして、花びらのコントラストを強調する。
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B |
ぬけ(バック)の部分を色が感じられる位まで明るくする為に、暗部を底上げする。
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試しに、バックのグリーンの色を強調してみましょう。
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まず、チャンネル モードをグリーンにします。
そして暗い輝度の部分だけを明るくすれば‥‥‥
暗部のグリーンだけ強調されます。
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トーンカーブには、RGBの三原色のチャンネルモードがありますが、それ以外の色を調整したい時は、どうすれば良いでしょうか?
そこで、写真講座テーマ11 フィルターワークでも出てきた補色表の出番です。
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R
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レット
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光の三原色 |
G
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グリーン
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B
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ブルー
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C
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シアン
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色の三原色
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M
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マゼンダー
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Y
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イエロー
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この表を見る時の決まり事は二つ。
1 |
対角線上の色は、それぞれを打ち消す色である。
つまり、Yを消したい時は、Bを強くする。
Yを強くしたい時は、Bを弱くする。
と言う事です。
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2 |
両隣の色を混ぜると、はさまった真ん中の色になる。
つまり、GとRを強くするとYが強くなる。と言う事は、上の1の関係から言うと、Bが弱くなると言う事。
GとRを弱くするとYが弱くなる。と言う事は、上の1の関係から言うと、Bが強くなると言う事。
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色の関係は、少々ややっこしいですが、実際にいじってみると、感覚的に理解できると思います〜〜
デジタルカメラの画像で、自分のイメージを再現するには、トーンカーブを使いこなす事は必要最低限と言えるでしょう。
皆さん、がんばって下さい〜〜。
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