今回は、デジタルカメラの画像をいじる為の、コンピュータの理想的なディスプレーモニターの環境について、お話ししまし
ょう。
ほんの十年前は、パソコン(PC)がカメラマンの必修科目になろうとは、想像出来ませんでしたね〜〜笑。
最近は液晶ディスプレイモニターが主流をしめてきましたね。
場所をとらない薄型は大変に便利なのですが、まだ一部の高価な液晶を除いて、残念ながらブラウン菅(CRT)の再現性に及ばないのが実情です。
しかし、時代は確実に液晶に移り変わりつつ有りますね。新しい高性能のブラウン菅(CRT) は、欲しくても、売ってないのが実情ですね。
ですが液晶ディスプレイモニターは、本当にピンキリで、酷い物は写真のグラデーションが段々にトーンジャンプのように映ってしまい、本当にトーンジャンプを起こしているのか判
らない!なんて液晶ディスプレイモニターも有りますよね〜〜笑。
ノートブックの液晶も、私達プロからすると、再現性は決して満足とは言い難い物ばかりです。
ですから、プロカメラマンの多くは、貸しスタジオやロケに行く時、パソコン(PC))はノートでも、外部ディスプレイモニターはちゃんとした物を持ち込むようにしています。
良い液晶ディスプレイモニターを選ぶ為の、カタログスペックとしては、コントラスト比 と 輝度 があり、
この数値が高い物程、高性能だと言われています。
コンピュータで画像を評価、編集するなら、
コントラスト比
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500対1
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輝度
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280cd/m2
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と言ったところが最近の一つの基準のように言われていますね。
最近は21型で、輝度450cd/m2, コントラスト比1000:1
のハイスペックで、10万円を切るような物もでてきましたね〜〜。(2006,4月現在)
また液晶ディスプレーモニターにおいて、Adobe RGB や sRGB の色空間を正しく再現できるか?と言うスペックも重要です。
実は Adobe RGB や sRGB 等の色空間でデジカメで撮影していても、その色を全て再現できる液晶ディスプレーモニターは、数少ないのです。再現できない部分は近似色に置き換えられています。
Adobe RGBを再現できる液晶ディスプレーモニターは、まだ100万円前後します〜〜笑。
しかし印刷原稿画像を扱う場合は、その印刷原稿の形式であるCMYKの色域を全てカバーするAdobe RGB のメリットは、非常に大きいのです。欲しい〜〜!笑。
sRGBを再現できる液晶は随分と増えてきて、もとめ易くなってきましたね〜〜。
ほとんどのデジタルカメラの画像の色空間である sRGB をカバーできるのは、メリット大きいですね〜〜。
また、いくら高いディスプレー モニターでも、モニターの色の設定 (カラーマネージメント、キャリブレーション) をしっかりして、正しいカラープロファイル(ICCプロファイル)を作らないと、正しい色は出せません。
パソコンショップのモニター売り場を思い出して下さい!?
ずらっと並んだディスプレー モニターの色味や明るさは、一台のパソコンから出力されてる同じ画像のはずなのに‥‥‥新品でもバラバラですよね〜〜。
私は、市販の キャリブレーター と言うキャリブレーションツールを使って正しい色を出していますが、視認で専用ソフトを使いカラーマネージメントをする方法も有り
ます。
未だ未調整の方は、是非とも調整してみて下さい。
でないと、今、私のホームページも間違った色味で見ている可能性があります〜〜笑。
厳正な色再現を必要とする方
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キャリブレーターを導入する。
EYE-ONE や monaco などが有名。
今年(2006年)、新たに1万5千円以下で 「huey™(ヒューイ)」 と言う、格安なキャリブレーターが売り出されるとの情報もありますね。
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ある程度の色再現で良い方
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視認でキャリブレーションできるツール、ソフトを利用する。
Mac (OSX) なら、システム環境設定→ディスプレイ→調整で。
WinでAdobe系のソフトを
お持ちなら、同梱のソフト アドビガンマ (Adobe Gamma) で。
Winでアドビ系ソフトをお持ちでない方は……ごめんなさい、私はWinにあまり詳しくないもので…どうしてるんですかね?詳しい方、教えて下さい〜!
Web上で簡単なキャリブレーションができるサイトも、あるようですね。探してみてください〜。
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とは言え、プロでも、専用機器を使っていても、中々ディスプレイモニターの調整は難しく、確信が持てないものです。
プリンターや印刷所等の出力機器、納品先のディスプレイモニターの色との擦り合わせは、常に悩みの種です‥‥‥‥‥‥
あなたのディスプレイモニターは正しい色が出てますか?
理想のディスプレーモニターを置く部屋の環境は、いつでも同じ明るさの部屋です。
ディスプレイモニターの色は、部屋の光に少なからず影響されます。
携帯の画面を思い出してもらえれば、容易に想像つきますよね。
強い日射しの中では、液晶は本当に見にくくなりますし、なにより画面が暗く感
じます。
デジタル画像を写すバソコンのディスプレーモニターも同じです。
ですから理想の環境は、いつでも同じ明るさの部屋なのです。
ディスプレイモニターで判断する画像の明るさ、適正露出の決定は、主観的な要素が大きいですからね〜〜。
なので、明るい日射しの入る部屋で昼夜を問わず作業をする人は、遮光カーテン
などで部屋の明るさを一定にさせないと、モニターの見えかたが安定せず、夜と昼で写真の仕上がりの明るさが違う〜〜!
なんて事になってしまいますね〜〜笑。
パソコンをいじる部屋の 灯りの質 も大切です。
部屋の灯りにも、色々な光源がありますよね。
例えば、
電球色
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蛍光灯色 |
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電球と蛍光灯では、照らされ
た色が全く違って見えますよね〜〜!?さらに普通の蛍光灯下では、色は くすんで 見えてしまっています。
その光色の質は、ディスプレーモニターの色にも 少なからず 影響をおよぼしています。
そこで!理想的な環境光としては、色評価用蛍光灯と言う特別な蛍光灯があります。
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三菱電気オスラム株式会社
色評価用蛍光ランプ
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これは、色温度5000ケルビン前後の、太陽光に近い性質を持った蛍光灯で、色管理に厳しい現場等で、正しい色を識別する為に造られた蛍光灯です。
また、普通の蛍光灯はスペクトル比の問題から色がくすんで見えてしまうのですが、色評価用蛍光灯は、色をはっきり正しく再現する能力があり、これを高演色とか演色性が良いと言います。
このような特性から、写真撮影用の光源としても向いている蛍光灯です。
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しかし残念ながら、普通の電気屋さんには中々売ってませんので、秋葉原か、ネ
ットか、近くの電気屋さんに頼んで取り寄せてもらうのが良いでしょう。
ただし、直菅のタイプしか無いようで、40ワットタイプで1500円前後するようです。
色評価用蛍光灯で無いとしても、電球や電球色などではなく、せめてデイライトタイプ
、白昼色の蛍光灯の方が、まだ、良いでしょう〜〜。
デジタル画像は、元をたどれば、0と1の数字の羅列ですから、曖昧さは無い筈なのに‥‥‥実にその環境は曖昧で、見る人の環境で、同じ画像が違う絵に見えてしまっていると言うのは、なんか不思議で納得いかないですね〜〜?!
紙原稿、フィルム原稿が全てだったアナログなフィルム写真の方が、自分のイメージを100%伝えられていたような‥‥‥
なんて、ね‥‥‥笑。
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